事務所便り

2019年 2月号

●平成30年分確定申告のポイント

 所得税の確定申告時期となりました。還付申告は既に1月から始まっていますが、納付額のある人については、2月16日から3月15日までとなります。なお、今年は確定申告初日の2月16日が土曜日、17日が日曜日のため、税務署窓口では申告の受付は行いませんが、法令上、申告初日をずらす規定がないので、申告初日は2月16日となります(ただし、税務署が閉まっていても申告書を税務署の時間外収受箱に投函することにより提出できます)。
 以下、平成30年分確定申告のポイントを整理してみます。

1 確定申告の対象者
●確定申告をしなければならない人(主な例)
 ①個人で事業を行っており納税額がある、②不動産収入がある人で納税額がある、③給与が年間2,000万円を超える、④2ヵ所以上から給与をもらっている、⑤同族会社の役員等で、その会社に不動産や事業資金を貸し付け、使用料・利息を受け取っている、⑥平成30年中に土地等の譲渡があった、⑦給与所得者で給与以外の所得金額が20万を超える
●所得税の還付が受けられる人(主な例)
 雑損控除、医療費控除、寄附金控除、配当控除、住宅ローン控除等を受ける人
2 平成30年分の留意点
(1)配偶者控除
 控除対象配偶者又は老人控除対象配偶者を有する納税者の配偶者控除の額は、納税者本人の合計所得金額が900万円を超えると徐々に控除額が減額され、1,000万円を超えると、控除額はゼロとなります。
(2)配偶者特別控除
 対象となる配偶者の合計所得金額が38万円超123万円以下とされ、その控除額は配偶者の合計所得金額及び納税者本人の合計所得金額が増えるにしたがって徐々に減額されます。なお、改正前の制度同様、合計所得金額が1,000万円を超える納税者本人については、配偶者特別控除は適用できません。
(3)確定申告書に関する書類の提出等
 生命保険料控除、地震保険料控除及び寄附金控除を受けるには、確定申告書に保険会社などから書面で交付された控除証明書等を申告書等に添付等する必要がありますが、平成30年分から保険会社等からメール等で交付された電子的控除証明書等を添付してe-Taxで送信することも可能となりました。書面で提出する場合には、国税庁HPで作成・印刷したQRコード付控除証明書等(電磁的記録印刷書面)により提出します。
(4)医療費控除の提出書類の簡素化
 平成29年分から医療費控除の適用に当たっては、医療費の領収書等に記載されている①医療を受けた者の氏名、②病院・薬局など支払先の名称、③支払った医療費の額などを記載した「医療費控除の明細書」を提出することで、領収書の提出等は不要となっています。ただし、領収書は5年間保存し、税務署からの求めに応じて提出等をしなければなりません。
 なお、平成31年(2019年)分までは、医療費の領収書の添付等も認められます。
3 働き方改革に伴う個人所得課税
 平成30年度税制改正における給与所得控除及び公的年金等控除の控除額を一律10万円引き下げ、基礎控除の控除額を10万円引き上げる「給与所得控除・公的年金等控除から基礎控除への振替」、給与収入が850万円超の場合の控除額を195万円に引き下げた「給与所得控除の適正化」、公的年金等収入が1,000万円超の場合の控除額に195.5万円の上限を設けた「公的年金等特別控除の適正化」などの個人所得課税の見直しは、平成32年(2020年)分以後の所得税からとなります。

       

所長 堀 裕彦 中小企業庁“ちいさな企業

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